アクロバット技一覧。
系譜順・全36技。
倒立からコークスクリューまで、アクロバットの技を「土台→接続→回転→ひねり→大技」の系譜順に、難易度・できない原因・次に進む技つきで一覧化。
大阪・鶴見のアクロバット専用施設PK Guildが、現場の言葉で作った技名鑑です。
技は「一覧」ではなく、
「階段」で覚える。
アクロバットの技名を検索すると、五十音順やジャンル別の一覧が出てきます。でも実際の練習で役に立つのは、「どの技の次に、どの技が来るか」という順番です。この名鑑は、技を5つの階層(系譜)に並べ、各技に難易度・できない原因・次に進む技を付けました。今いる階段の1段上が、次に練習する技です。
地味に見えて、
上級者ほど毎日やる。
逆さになる感覚、腕で体を支える感覚、体を締める感覚。この階層は「技」というより「材料」です。ここが薄いまま上の階層に行くと、必ず戻ってくることになります。
壁にお腹または背中を向けて倒立し、逆さで体を支える。全アクロバットの「逆さ感覚」と「支持力」の入口。
できない原因肘が曲がる・肩が耳から離れる・お腹が反る。次へ倒立(フリー)・側転
壁なしで静止する倒立。指先でバランスを取り、体を一直線に締める。3秒→10秒→30秒と伸ばしていく。
できない原因体が反っている・目線が手の間にない・指で床を掴んでいない。次へハンドスプリング・前宙の土台
頭頂と両手の三点で支える倒立。バランス感覚と体幹の締めを、低い高さで安全に育てる。
できない原因手と頭が一直線に並んでいる(三角形になっていない)。次へ倒立(フリー)
仰向けから手と足で体を弓なりに持ち上げる。肩と背中の柔軟性、後方系の技(バク転)で必須の「反り」の感覚。
できない原因肩が硬い・肘が外を向く・膝が開く。次へブリッジからの立ち上がり・バク転
手→手→足→足の順に一直線上をついて横に回る。「一直線」と「倒立を通過する」の2点が全て。ロンダートの親。
できない原因手を横に置けない(前に置く)・腰が落ちて倒立を通らない・目線が下。次へ片手側転・ロンダート
側転を片手で。着手の一瞬に体重を乗せ切る感覚と、空中で体を運ぶ時間が増える。側宙への橋渡し。
できない原因両手側転が一直線になっていない。次へ側宙(エアリアル)
回転感覚と受け身の原型。特に後転は「後ろに倒れる」恐怖の最初の一歩で、バク転の心理的な土台になる。
できない原因後転で手をつく位置が遅い・首で回ろうとする。次へブリッジ・マカコ
しゃがんだ姿勢から片手を後ろについて、横〜後ろに回って立つ。カポエイラ由来。「後ろに手をついて回る」感覚をバク転の前に安全に体験できる。
できない原因手をつく位置が近い・目線が手を追わない。次へバク転
土台の技は家庭練習に向いています。詳しくはアクロバットとは(始め方ロードマップ)へ。
勢いを回転に変える、
「点火装置」。
助走の勢いを回転の勢いに変換する技です。単体では地味ですが、後方系の技はほぼ全部この階層から点火します。ロンダートの質が、その先の全部を決めます。
側転の着地を両足同時に変え、進行方向を180度反転させて後ろ向きに着地する。「走る勢い」を「後ろ向きのジャンプ」に変換する、後方系すべての入口。
できない原因足が揃わない・着地で腰が引ける・手をつく位置が横(側転のまま)。次へロンダート→バク転
前方倒立回転跳び。助走→ホップ→手をついて倒立を通過→反って立つ。前方系の点火装置で、前宙・ひねり系前方技の親。
できない原因肩で押せない(肘が曲がる)・倒立を通過せず横に流れる・目線が早く前に来る。次へ前宙・ハンドスプリング→前宙
助走の最後に入れる小さなジャンプ。ロンダート・ハンドスプリング・側宙のリズムを作る「予備動作」。地味だが、これが乱れると全部乱れる。
できない原因高く跳びすぎる(前に進む力が死ぬ)・踏切足が毎回違う。次へ全ての助走系
ブリッジ姿勢から片足を蹴り上げて倒立を通過し、立つ。バク転の後半(倒立を通って立つ)を、静止状態から安全に練習できる。
できない原因肩が手の真上に来ない・蹴り足が弱い。次へバク転(補助つき)
仰向けから脚の振りと腕の押しで一気に立ち上がる。回転技ではないが、「振りを反動に変える」感覚がバク宙の抱え込み・蹴上がりと共通する。
できない原因脚を振るタイミングと手で押すタイミングがずれる。次へバク宙の抱え込み・蹴上がり
技をつなぐための練習。ロンダートの着地で真上にジャンプ(リバウンド)できるかが、バク転・バク宙へ進める合図。
できない原因着地で膝が深く曲がる(反発が消える)。次へロンダート→バク転→バク宙の連続



アクロバットの代名詞。
バク転はここの「入口」。
手をついて回る技から、手をつかずに宙で回る技へ。この階層から「失敗が頭・首から落ちる」技が入ってきます。段階・補助・環境の3つが揃った場所で練習してください(独学の危険は大阪バク転教室ガイドに詳しく)。
後方倒立回転跳び。斜め後ろ上に跳び、手をついて倒立を通過し、足で着地。「跳ぶ」と「回る」の中間にある技で、階層03の入口。才能ではなく手順の技。
できない原因怖くて後ろに倒れられない・跳ぶ方向が真上・手が近すぎて肘が抜ける。次へ連続バク転・バク宙。詳細はバク転完全ガイド
バク転の着地の反発でそのまま次のバク転へ。1本目より2本目が速く低くなるのが正解。チアのタンブリングの基本形。
できない原因着地で止まってしまう(膝が深く曲がる)・2本目で手が遠くなる。次へロンダート→バク転→バク宙
手をつかずに後方に1回転。真上に跳んで膝を抱え込み、回転して足で着地。「後ろに回る恐怖」の本丸で、ピットと補助がほぼ必須。
できない原因後ろに跳んでしまう(高さが出ない)・抱え込みが遅い・回転の途中で目を閉じる。次へハーフツイスト・バク宙の伸身。詳細はバク宙ガイド
助走から前方に1回転。バク宙より「見えない」時間が長く、着地が難しい。前方系の階段の中心。
できない原因踏切で前に流れる(上に跳べない)・頭から突っ込む・着地で前に倒れる。次へハンドスプリング→前宙・前宙ハーフ
手をつかない側転。片手側転の「手をつく時間」をゼロにした技。踏切の強さと、体を横に投げる勇気。ダンス・チアで映える。
できない原因踏切足が弱い・腕の振りが小さい・体が縦になる(側転の形を保てない)。次へ側宙からのひねり・転宙
手をつかない前方倒立回転。前転(ウォークオーバー)の空中版。チアリーディングでの需要が高い。
できない原因肩と背中の柔軟性不足・踏切で前に流れる。次へ連続技への組み込み
台に手をついた支持(つばめ)から、脚の振りだけで浮いて後方宙返り。助走ゼロで回るパルクール的なアクロバット。
できない原因振りと押し離しのタイミングのズレ・台に寄りすぎる。次へ台上からの連続技。詳細はキャストWS記事
片足踏切の前方宙返り。振り上げ足を大きく使って回る。トリッキングでは基本技扱いで、ここからひねりが乗る。
できない原因振り上げ足が横に逃げる・上体が先に倒れる。次へウェブスターからのひねり
抱え込まずに体を伸ばしたまま回る宙返り。回転が遅くなる分、高さと反発が要る。ひねり技へ進むための「体を締めたまま回る」感覚を作る。
できない原因体が反りすぎる(締めが弱い)・高さ不足。次へハーフ・フルツイスト
REEL ── バク転短期 8/3・4再生 ›
回転に、
もう1本の軸を足す。
宙返り(横軸の回転)に、縦軸の回転を足す階層です。2軸を同時に扱うため、空中感覚が一段深くなります。トリッキングが世界的に牽引してきた「ひねり文化」の入口。伸身で回れることが前提です。
後方宙返りに180度のひねりを加え、前を向いて着地。「回転の途中で軸を回す」感覚の最初の1歩。
できない原因ひねりを踏切と同時に始めてしまう(先に回転を作る)・目線が定まらない。次へフルツイスト
後方宙返りに360度のひねり。アクロバットの中級と上級の境目で、コークスクリューなど大技の前提技。
できない原因伸身バク宙の高さ不足・ひねりの向きが毎回違う・腕の引き込みが遅い。次へコークスクリュー・ダブルフル
前方宙返りにひねりを加える。着地で後ろを向くハーフは、実は「バク転系につなぐ接続技」としても使う。
できない原因前宙の高さ不足・ひねりで体が開く。次へ前宙フルからの連続
水平に近い軸で回りながらひねる、トリッキングの代表技。側宙の延長で入るため、床のアクロバット出身者より武術・トリッキング出身者が得意。
できない原因体が縦になる(水平軸を保てない)・腕の振りが小さい。次へバタフライからの連続・コークとの接続
後ろ向きから半ひねりして前方宙返りに入る。「ひねってから回る」順番の技で、体操・チア・トリッキングで共通の中級技。
できない原因ひねりと回転が同時に始まる・着地が見えない。次へアラビアンフロント系の発展
ひねり技を連続させる。着地で回転を止めずに次の踏切へ。トリッキングのコンボ、チアの上級タンブリング。
できない原因1本目の着地で軸がぶれる。次へ大技へ
ひねり技のワークショップ実績: コーク・ダブルコークWS(記録)。
競技者・パフォーマーの
領域。でも階段は同じ。
ここまで来ると、競技者・パフォーマー・トリッキングの世界です。ただし系譜の上にある以上、階段は1階からつながっています。ピットと補助のある環境と、大技を実際に教えられるコーチが必須の階層です。
体を斜めの軸に倒しながら後方に回転し、ひねりを加える。垂直軸のフルとも真後ろに回るバク宙とも軸が違う「斜め軸」の技。トリッキングの世界で発展した大技の代名詞。
できない原因斜め軸の感覚が体に入っていない・踏切で軸を作れない。次へダブルコーク。詳細はコークWS記事
コークスクリューのひねりを2回転に。滞空時間と回転速度の両方が要る。トリッキング大会で頻出。
できない原因コークの高さ不足・2回転目で軸が崩れる。次へトリプル系・連続コンボ
後方に2回宙返り。体操の床運動・トランポリンでは標準技だが、床の上では相当な高さと抱え込みの速さが要る。
できない原因1回転目の高さ不足・抱え込みが遅い・回転の途中で開いてしまう。次へダブルバックのひねり
後方宙返りに2回転・3回転のひねり。ひねり階層の完成形。体の締めと腕の引き込み速度が全て。
できない原因フルの精度不足・締めが甘い。次へ連続技への組み込み
前に進みながら後方宙返り。片足踏切で回るため、パルクールの「移動しながら回る」文脈と相性が良い。ボード系のバックフリップも同じ原理。
できない原因踏切足の使い方(振り上げ足で回転を作る感覚)。次へゲイナーのひねり
ロンダート→バク転→バク宙→フル、のように技をつなぐ。体操の床・チアのタンブリング・トリッキングのコンボはすべてこれ。「つなぎ」の質が技そのものより難しい。
できない原因各技の着地で勢いが死ぬ・技の順番が体に入っていない。次へ自分の得意技でパスを組む
壁を蹴っての宙返り(ウォールフリップ)、台からの宙返り、キャストボム。パルクールとアクロバットの交差点で、環境を使う分だけ判断力も要る。
できない原因床の技が安定していない・環境の高さ/距離の判断ミス。次へフリーランニングの表現へ
36技を、
どう登っていくか。
この名鑑の使い方は3つだけです。
- ① 今いる階層の「できない原因」を先に潰す ── 側転が一直線でない人がロンダートに行くと、ロンダートの着地が乱れます。原因は1つ下の階層にあることがほとんど。「戻る勇気」がいちばん速い
- ② 階層03以降は、環境を選ぶ ── 土台と接続の技は家庭練習に向きますが、回転以降は失敗が頭・首から落ちる技です。ピットマット・補助・コーチの目のある場所で。独学が危険な理由は大阪バク転教室ガイドに
- ③ 目的の技から逆算する ── 「フルツイストがしたい」なら、伸身バク宙→バク宙→バク転→ロンダート→側転、と逆にたどれば今日の練習が決まります。目的別の入口は大阪アクロバット教室ガイドで6パターンに整理しています
私たちの現場でも、完全未経験からバク転ワークショップに参加した全員が初日のうちに一人でバク転に到達しました。魔法ではなく、階段を1段も飛ばさなかっただけです。「段階・補助・環境」が揃えば、この名鑑の階層03までは、思っているよりずっと近い場所にあります。
階層01から05まで、
同じ床で登れる場所。
私たちPK Guild(大阪市鶴見区横堤5-6-13・横堤駅徒歩3分)は、パルクール・アクロバット専用施設です。大型ピットマット・バネ床・厚手マット・バーを常設し、この名鑑の全階層を同じ施設で練習できます。
「今どの階層にいるか」「次に何をやるか」は、体験のときにコーチが見立てます。技名鑑を見て「これがしたい」があれば、そのまま伝えてください。
技名鑑への疑問に、
まとめて答えます。
アクロバットの技は全部で何種類ありますか?
数え方次第で無数にありますが、この名鑑では系譜5階層(土台・接続・回転・ひねり・大技)に沿って主要36技を選びました。実際の技はこれらの組み合わせ・連続・ひねりの回数違いで増えていきます。
初心者が最初に覚える技は?
壁倒立・ブリッジ・側転・前転後転(階層01)です。派手ではありませんが、この4つがバク転を含む全ての技の材料になります。家庭練習にも向いています。
バク転とバク宙はどちらが簡単ですか?
一般的にはバク転(手をつく)の方が先です。ただし「怖さの種類」が違い、バク宙が先にハマる人もいます。どちらもピットと補助のある環境で段階を踏めば習得できます。
家で練習してもいい技はどれですか?
階層01(倒立・ブリッジ・側転・前転後転)と階層02の一部(ブリッジ立ち上がり・跳ね起き)は、布団やマットの上で家庭練習に向いています。階層03以降(バク転・バク宙・前宙・側宙)は、失敗が頭・首から落ちるため、安全設備と補助のある場所で。
アクロバットの技とパルクールの技は違いますか?
パルクールは「移動の技術」(着地・ヴォルト・壁登り・プレシジョン)、アクロバットは「回転の技術」です。兄弟関係で、PK Guildでは両方を学べます(なお「フリーランニング」は現代ではパルクールと同じ意味で使われる呼び名です)。パルクール側の技一覧は別記事で解説予定です。
トリッキングの技はこの名鑑に入っていますか?
入っています。コークスクリュー・バタフライツイスト・ウェブスター・ゲイナーなど、トリッキングで発展した技を階層03〜05に含めています。トリッキングはアクロバットの中のストリート系ジャンルで、ひねり・大技の階層が主戦場です。
大人でも階層03以上に進めますか?
進めます。ピットと補助のある環境で段階を踏めば、20代・30代でもバク転・バク宙まで到達する例があります。恐怖は大人の方が強い一方、理解力と計画性は大人の方が上です。
チアやダンスで使う技はどれですか?
チアのタンブリングはロンダート→バク転→バク宙(階層02〜03)、転宙・側宙、上級はフルツイスト。ダンス・ブレイキンではマカコ・側宙・バク宙・バタフライツイストが映えます。目的別の選び方は大阪アクロバット教室ガイドで詳しく。
体験レッスンで技を教えてもらえますか?
はい。体験でコーチが「今どの階層にいるか」を見立て、その日にできる段階から始めます。動きやすい服装と飲み物だけでOK、PK Guildの集団クラス体験は現在無料です。
一緒に決めましょう。 「これがしたい」を伝えてください。今いる階層と、次にやる技をコーチが見立てます。体験レッスンは現在無料。大阪・鶴見(横堤駅徒歩3分)のPK Guildにて。