パルクールの技一覧|6系統41技を難易度つきで解説・ヴォルトの種類と初心者が覚える順番

パルクールの技一覧 6系統41技
PARKOUR MOVES ── パルクールの技一覧

パルクールの
技を、地図にする。

ヴォルト、プレシジョン、キャットリープ、ウォールラン。名前は聞くけれど、どれが簡単で、どれが難しくて、何から始めればいいのか分からない。
パルクールの技41個を6つの系統に分け、難易度つきで整理しました。最初に覚える順番まで、専用施設の現場からまとめます。

6系統・41技 難易度 5段階つき 初心者が覚える順番
INTRO ── 技の全体像

技は多く見えて、
動作は3つしかない。

パルクールの動画を見ると、無数の技があるように見えます。でも分解すると、やっていることは「跳ぶ」「越える」「登る」の3つです。そして、その全部を支えているのが「着地と受け身」。技の名前は、この組み合わせに付いたラベルにすぎません。

だから、技を覚える順番にも理由があります。派手な技から入るのではなく、土台(着地)から積む。土台があれば、新しい技は「今までの動きの組み合わせ」として短い時間で身につきます。

3 ACTIONS ── すべての技は、この組み合わせ
01 ── JUMP
跳ぶ

点から点へ、正確に跳び移る。距離より「狙った場所に止まる」精度が問われる。

プレシジョンストライドキャットリープ
02 ── VAULT
越える

手をついて障害物を越える。流れを止めずに走り抜けるための技術。

ステップスピードコング
03 ── CLIMB
登る

壁を蹴り上がり、縁をつかみ、体を引き上げる。壁やバーを道に変える。

ウォールランクライムアップティックタック
BASE
着地と受け身
どの技も最後は着地で終わる。ここが土台で、最初に習う。

この記事の難易度(★1〜★5)は、「専用施設で、講師の指導のもとで練習する場合」の目安です。同じ技でも、高さ・距離・床の硬さで難しさと危険度は大きく変わります。

01
01 ── LANDING・着地と受け身の技

最初に習うのは、
跳び方ではなく降り方。

パルクールで最初に練習するのは着地です。地味ですが、ここが甘いまま高さや距離を伸ばすと、ひざ・足首・腰を痛めます。逆に着地が身についていれば、ほかの技の失敗も「安全な失敗」になります。

技名難易度どんな動きか
ランディング
(着地)
★1つま先側から静かに降り、足首・ひざ・股関節を順に曲げて衝撃を逃がす。「音を立てない」が合言葉
手つき着地★1深く沈んだ勢いを、前に手をついて逃がす。高さがあるときの基本
PKロール
(受け身)
★2肩から反対の腰へ、斜めに転がって衝撃を前への動きに変える。背骨を床に当てないのがコツ
バックロール★2後ろに倒れたときの受け身。後方へ斜めに転がる
ドロップ★2〜高い所から降りる動き。縁にぶら下がって高さを減らしてから降りるのが基本。高さで難易度が変わる

着地と受け身は、パルクール以外でも役に立ちます。転んだときに手や頭を守れる体の使い方は、子どもの日常のケガを減らす力です。くわしくはカルチャー・競技・教育、3つのパルクールの教育の章にまとめています。

02 ── JUMP・ジャンプの技

遠くへ、ではなく
狙った場所へ。

パルクールのジャンプは、走り幅跳びとは考え方が違います。大事なのは距離より精度。狙った場所にぴたりと止まれることです。細いレールや縁の上に着地する場面が多いためです。

技名難易度どんな動きか
プレシジョン★1〜両足で踏み切り、狙った点に両足で止まる。パルクールの代名詞。地面の線から始め、段差、レールへ進む
ランニング
プレシジョン
★2助走をつけて片足で踏み切り、両足で止まる。距離が伸びるぶん、止まる技術が要る
ストライド★2点から点へ、片足ずつ大股で渡っていく。走りながらのリズム感が問われる
プライオ★3着地の反動をそのまま使って、止まらずに次のジャンプへつなぐ
キャットリープ
(アームジャンプ)
★3壁に向かって跳び、足を先に壁に当ててから縁を手でつかんでぶら下がる。足が届かない距離を越える技
キャット トゥ
キャット
★4ぶら下がった姿勢から壁を蹴り、向かいの壁の縁をつかむ
180°キャット★4ぶら下がった姿勢から半回転して、後ろの壁へ跳び移る
PK Guildのレールの上でバランスを取る練習生
RAIL ── 細いレールの上に止まる。ジャンプの精度は、ここで決まる
03
03 ── VAULT・ヴォルト(越える技)

ヴォルトの違いは、
手足の順番だけ。

ヴォルトは、手をついて障害物を越える技の総称です。パルクールらしさがいちばん出る系統で、種類も多い。ただし違いは「どの向きで、手と足をどの順に通すか」だけです。

技名難易度どんな動きか
ステップヴォルト
(セーフティ)
★1片手と反対の足を障害物に乗せ、もう片方の足を間に通して越える。最初に習うヴォルト
レイジーヴォルト★2障害物に対して斜めに入り、内側の手をついて両足を横に流して越える。力がいらず、流れがきれい
スピードヴォルト★2走る勢いのまま片手をつき、体を横に倒して越える。ハードルに手を添える感覚。速さ重視
ターンヴォルト★2両手をついて越えながら半回転し、障害物の向こう側に向き合って降りる。高い所から安全に降りる入口
ゲートヴォルト★2高い柵にお腹を乗せ、向こう側の低い位置をつかんで体を回して越える
リバースヴォルト★3両手をつき、背中側から1回転しながら越える
コングヴォルト
(モンキー)
★3正面から両手をつき、両足を腕の間に通して越える。跳び箱の「閉脚跳び」に近い。パルクールの花形
ダッシュヴォルト★3足から先に跳び越え、空中で後ろ手に障害物を押す。コングと逆の順番
キャッシュヴォルト★4コングで入り、ダッシュで抜ける。幅のある障害物向けの合わせ技
ダブルコング★4長い障害物の上で、手を2回ついて越えるコング
コング トゥ
プレシジョン
★4コングで越えた先の、狙った点に両足で止まる。ヴォルトとジャンプの合成

コングヴォルトは、跳び箱が得意な子ほど早く身につきます。手で体を支えて腰を上げる感覚が同じだからです。関連して、跳び箱のコツハンドスプリングのコツも参考になります。

04 ── CLIMB・壁とクライムの技

壁は、行き止まり
ではなくなる。

パルクールを始めると、壁の見え方が変わります。登れる、蹴れる、つかめる。壁の技は、脚の力と腕の引く力を両方使うので、全身の体力づくりとしても優秀です。

技名難易度どんな動きか
ウォールラン★2〜助走から壁を1〜2歩蹴り上がり、上の縁をつかむ。前への勢いを上向きに変えるのがコツ
クライムアップ★3縁にぶら下がった状態から、体を引き上げて壁の上に乗る。腕の力だけでなく、足で壁を蹴る
ティックタック★2壁を片足で蹴って、その反動で横や斜めに跳ぶ。障害物を越えるきっかけ作りに使う
ポップヴォルト★3壁を一歩蹴って高さをかせぎ、そのままヴォルトで上に乗る・越える
壁の間の
突っ張り登り
★3狭い壁と壁の間で、手足を突っ張って体を支え、登る
ウォールスピン★4壁に両手をついて、横向きに1回転する。ここからフリーランニング寄りの技になる
PK Guildの壁と壁の間で手足を突っ張って体を支える練習生
WALL ── 壁と壁の間に、体ひとつで止まる
05
05 ── BALANCE / BAR・バランスとバーの技

止まれる人が、
いちばん速い。

バランスとバーの技は地味に見えますが、上級者ほど時間をかける系統です。細い足場で落ち着いていられること、ぶら下がって自分の体を振れること。これが、ほかの全部の技の安定感を決めます。

技名難易度どんな動きか
バランス
(レールウォーク)
★1レールや縁の上を歩く・止まる。低い位置から始める
キャットバランス★2レールの上を四つんばいで進む。重心が低く、長い距離でも安定する
レールスクワット★2レールの上でしゃがんで立つ。着地で止まる力を直接きたえる
アンダーバー★2バーの下のすき間を、バーをつかんで足から滑り抜ける
ラシェ
(スイング)
★3バーにぶら下がって体を振り、その勢いで前へ跳ぶ。狙った所に着地できれば一人前
バー トゥ バー★4スイングで跳び、次のバーをつかむ
マッスルアップ★4ぶら下がった状態から、バーの上まで体を引き上げる。クライムアップのバー版
06 ── FREERUNNING・フリップと回転の技

宙返りは、
パルクールの技?

バク宙や壁を使った宙返りは、正確にはフリーランニングと呼ばれる表現寄りの系統です。今はパルクールと一緒に語られることがほとんどで、競技のフリースタイル種目でも採点の中心になっています。ここは、アクロバットの技術がそのまま土台になります。

技名難易度どんな動きか
パームスピン★3壁や台の上に手をつき、手を軸に体を水平に1回転させる
サイドフリップ★4横向きの宙返り。走りの流れに入れやすい
ウォールフリップ★4壁を蹴り上がって、その反動で後方宙返りをする
フロントフリップ/
バックフリップ
★4前宙・バク宙。段差の上から、あるいは障害物を越えながら行う
ゲイナー★5前に進みながら後方に宙返りする

宙返り系の技の全体像は、アクロバット技一覧に別でまとめています。バク宙までの階段はバク宙のコツ、その土台になるバク転はバク転のコツへ。

PK Guildのマットの上で宙返りをする練習生
FLIP ── 回転の技は、沈む床とマットの上で積む
07
07 ── ORDER・初心者が覚える順番

最初の7つは、
この順番で。

41個を一度に覚える必要はありません。最初の7つが身につけば、「パルクールをやっている」と言える動きになります。順番にも意味があります。

01ランディング(着地)すべての土台。低い段差から、音を立てずに降りる練習から。
02バランス低いレールの上で歩く・止まる。このあとのジャンプの「止まる力」になる。
03プレシジョン床の線から線へ。距離は伸ばさず、まず10回中10回止まれる精度を。
04ステップヴォルト足を乗せて越えるので怖さが少ない。左右どちらでもできるように。
05PKロール(受け身)マットの上でしゃがんだ姿勢から。ここまでで「安全に失敗する」準備が整う。
06レイジーヴォルト・スピードヴォルト走りの流れを止めずに越える感覚をつかむ。
07ウォールラン壁を1歩蹴って縁をつかむ。ここから、キャットリープとクライムアップへ道が開く。

この7つの次は、コングヴォルト、キャットリープ、クライムアップ、ラシェ。そこまで来ると、技を止まらずにつなげる「フロー」が練習の中心になります。くわしくはパルクールのフローとはへ。

08 ── SAFETY・技を練習する場所の話

同じ技でも、
場所で危険度が変わる。

難易度の★は、あくまで技そのものの難しさです。実際の危険度は、高さ・距離・床の硬さ・見てくれる人がいるかで決まります。★1のプレシジョンでも、高い塀の上でやれば危険です。★3のコングヴォルトでも、低い台とマットなら、小学生が安全に練習できます。

  • 動画のまねを、いきなり外でしない ── 動画に映っているのは、何年も積んだ人の「本番」。その手前の何百回の練習は映っていない
  • 新しい技は、低く・近く・柔らかい所から ── 高さと距離は、成功率が上がってから少しずつ足す
  • 公園や街の設備は、使っていい場所か確認する ── 立ち入りや使用が禁止されている場所では練習しない
  • 最初は、見てくれる人のいる環境で ── 自分の動きのクセは自分では見えない。土台の段階ほど、外からの目が効く

PK Guildは、14m×9mのバネ床と5m×6mの大型ピットマットを備えた専用施設です。子どものクラスはレベル制で、着地と受け身から順番に進みます。高校生以上の方は大人のパルクール、自分のペースで練習したい経験者の方はフリトレ(施設一般開放)へ。

専用施設で空中に跳ぶ生徒と、順番を待つ子どもたち
FACILITY ── 技は、失敗できる場所で覚える
09
09 ── FAQ・よくある質問

技についての疑問に、
答えます。

パルクールでいちばん簡単な技は何ですか?

ランディング(着地)、バランス、プレシジョン、ステップヴォルトの4つです。どれも低い段差や床の線から始められ、運動が苦手な方や小さな子どもでも初日から練習できます。

いちばん難しい技は何ですか?

技そのものより、「高さ・距離・つなぎ方」で難しさが決まります。単体の技では、ゲイナーなどの宙返り系や、キャット トゥ キャット、ダブルコングなどが上級の目安です。上級者は、これらを止まらずにつなげて動きます。

ヴォルトとは何ですか?

手をついて障害物を越える技の総称です。ステップヴォルト、スピードヴォルト、レイジーヴォルト、コングヴォルトなど10種類ほどがあり、違いは体の向きと、手足を通す順番です。

バク宙ができないと、パルクールはできませんか?

できます。バク宙などの宙返りはフリーランニングと呼ばれる系統で、パルクールの基本(着地・ジャンプ・ヴォルト・クライム)とは別の枝です。宙返りをまったくやらずに続けている人も多くいます。

子どもは、どの技から始めますか?

着地とバランスからです。PK Guildのクラスはレベル制で、土台から順番に進みます。3歳6ヶ月から参加できるちびクラスでは、跳ぶ・登る・ぶら下がる・転がるといった動きを遊びの形で経験します。

技は独学でも覚えられますか?

着地やバランスなど土台の技は、低い場所なら自分でも練習できます。ただ、受け身、ヴォルト、壁の技、宙返りは、最初の形を間違えるとケガにつながりやすく、クセも残ります。最初だけでも、マットのある環境で、見てもらいながら覚えるのがおすすめです。

体験では何をしますか?

体験は、実際のクラスにそのまま参加する形です(現在無料)。見学だけでも大丈夫です。持ち物は動きやすい服装と飲み物だけです。

最初の1つは、
着地から。
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