幼児の運動神経は、
遊びで伸びる。
3〜6歳の運動神経を伸ばすのに、特訓も道具もいりません。必要なのは「違う動き」を毎日少しずつ経験すること。この記事では、年齢別(3歳・4歳・5歳・6歳)のおすすめ遊び、7つの協調能力ごとの遊び一覧、家の中・公園・雨の日のメニュー、やってはいけないことと声かけを、3歳6ヶ月からの幼児クラスを毎週見ている専用施設がまとめました。全部、今日からできます。
教えない。
種類を増やす。
| なぜ遊びか | 幼児期は神経系がいちばん速く育つ時期。運動神経の正体=協調性(体をイメージ通りに動かす力)は、脳が「動きの経験」から作る配線で、同じ動きの反復では増えず、新しい動き・違う環境で増えます。文部科学省の幼児期運動指針も「多様な動きを、毎日合計60分以上、楽しく」が柱 |
| 親の役割 | 教えることではなく、動きが自然に生まれる環境を置くこと。布団の山、床の線、風船、音楽。「正しいフォーム」はいりません |
| 何をどれだけ | 1日10分、昨日やっていない動きを1つ。年齢別の目安は02章、7つの能力別は03章。走る・跳ぶ・登る・転がる・ぶら下がる・投げる・バランス・くぐるを1週間でひと回り |
| やってはいけない | 高い所からの飛び降り、硬い床での回転技、比べる・急かす。「低い・柔らかい・比べない」が合言葉 |
この記事はPK Guild(大阪市鶴見区・パルクールとアクロバットの専用施設)が書いています。3歳6ヶ月〜8歳のちびクラスで毎週やっていることを、家でできる形に直しました。運動神経の伸ばし方の全体像は子どもの運動神経を良くする方法、年齢ごとの「できる動きの目安」は3〜6歳の運動発達ガイドへ。
夢中のときだけ、
配線が増える。
神経系の学習は、本人が夢中になっているときに最も進みます。「やらされる練習」では、子どもは大人の顔を見て動くようになり、自分の体を探索しなくなる。遊びは、探索そのものです。幼児期に伸ばしたい協調性は7つに分けられ、それぞれ「どんな遊びで刺激されるか」が決まっています。
7つ全部を1つの遊びで鍛える必要はありません。1週間で7つがひと回りすれば十分。だから「毎日違う遊び」が、いちばん効率のいい伸ばし方になります。
3歳・4歳・5歳・6歳、
5つずつ。
年齢はあくまで目安です。できなくても遅れではなく、まだ出会っていないだけ。下の年齢の遊びに戻るのも、上の年齢の遊びを試すのも自由です。
| 年齢 | 遊び(5つ) | 伸びる能力・コツ |
|---|---|---|
| 3歳 | ①布団の山を登って降りる ②線の上を歩く(床のテープ) ③風船を落とさない ④動物歩き(くま・うさぎ・あひる) ⑤音楽で歩いて止まる | 定位・バランス・反応・リズム。「上手に」は言わず、「もう1回」が出たら成功。1つ2〜3分で切り替える |
| 4歳 | ①低い台から音を立てずに降りる ②布団で横転がり・前転がり ③新聞紙ボールの的当て ④ケンケンパ ⑤だるまさんが転んだ(ポーズ指定) | 識別・連結・変換。着地は「ドン」より「トン」。転がりは頭ではなく後頭部〜背中を丸めて |
| 5歳 | ①手押し車 ②スキップ・ギャロップ ③ジャングルジム・うんてい ④柔らかいボールの投げ合い(大小2種) ⑤影ふみ・しっぽ取り | 連結・定位・反応・変換。遊具は1つに固定せず全部使う。「見て真似る」が始まる時期なので、親がお手本を1回だけ |
| 6歳 | ①縄なし縄跳び→縄跳び ②ブリッジ・片足立ち10秒 ③低い段差からの連続ジャンプ ④ドリブル・キャッチボール ⑤鬼ごっこの変種(氷鬼・色鬼) | リズム・バランス・識別・変換。小学校の体育の土台がここで揃う。「できた」を言葉で返す回数を増やす |
今日はどの能力?
一覧から選ぶ。
「今日は何をしよう」と迷ったら、この表から1つ選んでください。家でできるものと、公園でできるものを分けました。1週間で7行をひと回りするのが目標です。
| 能力 | 家でできる | 公園でできる |
|---|---|---|
| 定位 | 布団の山、椅子の下くぐり、低い台からの飛び降り | ジャングルジム、すべり台を逆から登る、縁石ジャンプ |
| 変換 | だるまさんが転んだ、合図で動きを変える(歩く→ハイハイ→ジャンプ) | 鬼ごっこ、影ふみ、しっぽ取り |
| 連結 | 手押し車、動物歩き、ブリッジ | うんてい、スキップ、坂道ダッシュ |
| 反応 | 音楽で止まる、転がるボールを止める、手拍子でジャンプ | 転がしたボールを追う、落ち葉キャッチ |
| 識別 | 新聞紙ボールの的当て、そっと置く・強く投げる、風船 | 砂場で型抜き、遠くと近くに投げ分ける |
| リズム | 音楽に合わせて歩く・ジャンプ、ケンケンパ | 縄跳び、石段を一定のテンポで上る |
| バランス | 線の上歩き(後ろ・横)、片足立ち、座布団の上で立つ | 縁石・丸太、芝生や砂の上を裸足で歩く |
公園では「遊具を全部使う」が合言葉。1つの遊具に固定すると、育つ能力も1つに固定されます。
畳2枚あれば、
10分で7つ。
雨の日や、走り回れない家でも、畳2枚分のスペースと布団があれば7つの能力をひと回りできます。順番どおりに10分。
合計10分、道具は布団とテープと風船だけ。これを週に3回、残りは公園。それだけで「毎日違う動き」が回ります。
低い・柔らかい・
比べない。
- 高い所からの飛び降りをさせない ── 膝下の高さまで。着地の「トン」ができてから、少しずつ
- 硬い床で回転技をまねさせない ── 前転・側転・バク転のまねは布団かマットの上で。頭からの着地は教室でも最初に止める動き
- 比べない・急かさない ── 「お兄ちゃんはできたのに」は、挑戦の回数そのものを減らす。比べる相手は昨日の本人だけ
- 教えすぎない ── フォームの指導は小学生から。幼児期は「やってみた」の数が全て
- 「できた」を言葉で返す ── 「今の着地、音がしなかったね」。結果より、何が良かったかを具体的に。これが次の挑戦の燃料
- 親も一緒に動く ── 子どもは親の動きを真似る。上手い必要はなく、一緒に失敗して笑うのが最大の教材
「うちの子、運動神経が悪いかも」と感じている方は、子どもの運動神経が心配な親へに、特徴の読み方と誤解をまとめています。多くは「まだ出会っていない動き」があるだけです。
家で出せない高さを、
安全に。
家と公園でほとんどのことはできます。足りないのは「登る高さ」「落ちる先の柔らかさ」「毎週違う障害物」の3つ。そこを教室に任せると、遊びの幅が一気に広がります。幼児向けの教室を選ぶときは、動きの種類が多いこと、課題を一人ひとり変えていること、順位がないこと、床が柔らかいことを見てください。6種類の運動教室の違いは大阪の幼児向け運動教室の選び方に。
遊びについて、
よく聞かれること。
幼児の運動神経を伸ばすには、何歳から始めればいいですか?
歩き始めた日からです。3歳前は親子の体遊びと公園の外遊びで十分で、3歳ごろから「布団の山」「線の上歩き」のような少し課題のある遊びを足していきます。
1日どれくらい遊べばいいですか?
幼児期運動指針の目安は、園での活動も含めて毎日合計60分以上。家では10分、「昨日やっていない動き」を1つ足せば十分です。量より種類です。
外遊びだけでは足りませんか?
外遊びは最良の運動です。ただ、夏の暑さ・雨・冬の日没で毎日は難しいので、04章の雨の日メニューと組み合わせてください。登る高さと落ちる先が必要な動きは教室に任せるのも手です。
運動が苦手そうで、遊びも嫌がります。
嫌がる多くは「できなかった・比べられた」記憶です。本人が選べる遊び(今日はどれにする?)、低くて柔らかい環境、「できた」の言語化。この3つから。詳しくは運動が苦手な子の習い事へ。
遊具のない公園でもできますか?
できます。縁石の上を歩く、芝生を裸足で歩く、落ち葉をキャッチする、鬼ごっこ、影ふみ。遊具がなくても7つの能力は全部刺激できます。
教室に通わせるなら何歳からですか?
両足でジャンプができ、簡単な指示が分かる3歳半ごろが目安です。PK Guildのちびクラスは3歳6ヶ月から、体験は無料です。
大阪で幼児の運動遊びができる教室はありますか?
大阪市鶴見区のPK Guild(横堤駅徒歩3分)に3歳6ヶ月〜8歳のちびクラスがあります。この記事の遊びを、バネ床・大型ピットマット・高さを変えられる障害物で行います。